疲れ目一掃編

疲れた目を癒す「目にやさしい色」とは!?

疲れた目を癒す「目にやさしい色」とは!?

青、緑、ベージュは目の疲れを回復させる色彩

たとえ野山に分け入っていかずとも、遠くに見える木々の緑は、なんともいえず私たちの心を安らかにしてくれます。昔から、「緑色は目にやさしい色」といわれてきました。これはどうしてなのでしょうか。経験的なこの言い伝えを、実は科学的に確かめたデータがあるのです。

いろいろな色や光の刺激を与えて、血圧、自律神経の緊張度、呼吸、脈拍、筋肉活動、まばたき、脳波などを測定し、これらを総合して筋肉組織の緊張度を数値としてみたものを「ライト・トーナス値」といいます。この数値が高くなればなるほど、緊張が高まります。この結果から、ベージュや青、緑といった色がリラックスした状態なのに対し、樺色や赤などは高い緊張度を示しています。ベージュは土壌の色、青は空や水の色、緑は草木の色と考えれば、やはり、自然の色こそが心身の疲れを癒してくれるというわけです。

それでは、今回のテーマである目の疲れについてはどうでしょうか。目の緊張のバロメーターとして、まばたきの回数があります。私たちは精神的に緊張すると、目の筋肉が緊張するためにまばたきの回数がふえます。この目の緊張が目の疲れを招くということはいうまでもありません。そこで、色の種類によって、まばたきの回数の変化を調べてみました。すると、少ない順に、青紫、青、緑となったのです。

よく眼科医は仮性近視の子供に「遠くの緑を見なさい」と指導します。また、私たちは目が疲れると窓から青空を見たり、木立の緑を見たりします。こうしたことが心身の緊張をとき、目の疲れを回復するために、実際に効果のあることがはっきりしたわけです。室内の生活でも、カーテンを青いものにしたり、部屋に観葉植物の鉢をおくなど、作業の合間に青や緑を見るようにすれば、目の疲労回復に大いに役立つのではないでしょうか。

 

色から出るシグナルで自律神経の働きが違う

では、私たちの体はどうして目にする色によって異なった反応をするのでしょうか。私たちの目に入ってきた光の刺激は、網膜から視神経を経て大脳皮質で受け止められます。大脳皮質はその刺激を受け、脳の視床下部、自律神経系へと信号を伝えます。

信号は、受け止めた光の波長、すなわち色の種類によって違ってきます。大脳は、受け止めた光が赤や桂色の場合には自律神経を活動的にして緊張を高める交感神経を活発にし、青や緑、ベージュの場合にはその反対に働く副交感神経の活動を高めるのです。

青は空や海、湖などの色です。青空のもとや海辺はオゾンが豊富で酸素を補給できるところ、海や川は水の源、緑は草木の色であり、緑の植物のあるところは酸素が豊富です。ですから、青や緑の色の刺激には、酸素や水が十分で、体の休まるところであるということが人間の潜在意識から感じとれるのかもしれません。そのため副交感神経の働きが高まり、体がリラックスして、目の疲れも早く回復するのです。

海や山に似合う色と都会に似合う色とは違う

ところで、目の疲れを回復するのに青や緑がいいからといって、部屋を青一色や緑ずくめにしたのでは、こんどはかえって刺激が強すぎて疲れてしまいます。かつて、静岡などの茶つみの女性の代名詞といえば、紺がすりの着物に茜色(あかねいろ)のたすきでした。

彼女たちが働く茶畑は緑一色です。そんな強烈な色の刺激の中で働くとき、生理的に緑の補色である赤を求める気持ちが働き、あの茜色のたすきをしていたのでしょう。一面の緑の中で、仕事の合間にたすきの赤を見ると、ほっとして疲れも回復するのかもしれません。

タヒチの人たちは、南太平洋の澄んだ海の青紫色に対し、まばゆいばかりの黄色の腰布をしています。この黄色は紫色の補色です。こうした効果を「パレット効果」といいます。太陽光線が強く日照時間の長いところでは、明るい派手な色、暖色系が生理的にほしくなり、太陽光線の弱い、日照時間の短いところでは、くすんだ地味な色、寒色系が求められるのです。

このように、私たちの体に、色は興味深い関わりを持っています。この作用をうまく応用すれば、疲労回復ばかりではなく、病気の予防や治療、老化防止などに役立てることもできるのではないでしょうか。

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